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ミルクの歴史
2004.6
人工栄養の手本はあくまでも母乳栄養です。その基礎となる母乳組成を検討すべく、明治乳業では1979〜80年に日本全国から初乳から1年過ぎまで1,600を越える母乳検体を集め、季節別、泌乳期別に、泌乳期によっては更に地域別に分けて分析しました。
初乳、移行乳の時期を別にしても、泌乳期によって各成分の濃度は著しく異なっており、広範囲にわたった泌乳期を通しての測定値の平均値は、意義が薄いと考えられました。どの時期の母乳組成をよりどころ(手本)とするかは考え方によって違ってきますが、明治乳業では、「哺乳量・発育などの調査」からも、人工栄養を考える場合のよりどころとしては21日〜2ヵ月齢(産後21日〜3ヵ月未満)の母乳が重要と考え、コナミルクの設計に当たっては主にこの時期の母乳を参考としています。この時期の母乳の固形分やエネルギーが従来考えられていたよりも意外と高いことを踏まえて、コナミルクのエネルギーや調乳濃度を設定しています。
第1回目の母乳調査をふまえ、20年後の1998〜99年には全国4,190人のお母さんのご協力をいただき、測定項目を増やして再度「日本人の母乳組成調査」を実施しました。前回の結果に加えこの新たなデータは、これ以降のコナミルクの品質設計にいかされています。
明治乳業では、パトローゲンはさておき、1951年にソフトカード明治コナミルクを発売以降2001年発売の“ほほえみ”まで、15回改良を積み重ねてきました。小刻みの改良に過ぎると思われるかも知れませんが、成分間のバランスを大きく崩すことは、赤ちゃんの生理にとって大変危険なことです。お母さんにとって“育児はやり直しがきかない”ということを肝に銘じて、全体のバランスを最大限考慮しながら、ミルクの量的・質的改善をslow & steadyに進めたということです。
さて母乳の優れている点は、免疫抗体や感染防御因子などが含まれていることでしょう。加熱殺菌されている育児用コナミルクにこのような機能を大きく期待することには、やはり無理があります。
栄養法による罹病傾向の見掛けの差は、1985年の調査時以降著しく縮まりました。これにはその前年に、母乳代替品に限って銅、亜鉛の強化が認められ、時を置かずして銅、亜鉛に加えタウリンを強化したミルクが一斉に発売されたことが寄与しています。銅、亜鉛が免疫や感染予防に関連することは良く知られたことですが、タウリンもまた感染予防に寄与する成分と考えられています。
ただ繰り返し強調すべきは、罹病傾向にほとんど差がなく“人工栄養が安全”と言いえるのは、あくまでも“きれいな水が得られること”と“衛生的に取り扱われること”が前提だということです。あえてボトルウォーターを求めなくても衛生的な水が得られ、しかも衛生面での教育水準も高い日本という国は、誠に幸せと言えましょう。
全国のお母さまからいただいた母乳パック。ひとつひとつが
明治乳業の調査・研究に生かされ、その成果が未来の赤ちゃんに贈られます。
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